”ネットワークの場所”とは、Windows Vista以降から導入されている概念です。主に、ラップトップやタブレットを持ち運ぶユーザーのセキュリティ向上を目的としています。
PCを初めてネットワーク接続した時、Windowsはネットワークの場所を尋ねてきます。
接続するネットワークを予めカテゴリ分けしておくと、下記のようにセキュリティ向上に役立てることができます。
- 自宅のネットワークに接続するとき
このPCに格納されている写真や書類などのファイルを、他のPCからアクセスできる(共有ON)
- 外出先の無線ネットワーク(Wi-Fi・3G/LTEなど)に接続するとき
他のPCからこのPCが見えない為、不審者やウィルス感染したPCなどがファイルを覗くことはできない(共有OFF)
この仕組みは、「共有の詳細設定」と「Windowsファイアウォール設定」を、ネットワークの場所毎に保持することで実現しています。Windowsは、ホーム(プライベート)、パブリック、社内の3セットの設定を常に保持しており、現在接続しているネットワークのカテゴリに応じて、適用する設定を使い分けているのです。
ちなみに、Windowsは一度つないだネットワークを覚えているので、ネットワーク接続の都度、毎回同じことを尋ねたりはしません。LANケーブルの形や、無線ネットワークの規格(Wi-Fi)はどこでも同じなのに、個々のネットワークをどうやって見分けているのでしょうか?
インターネットは、小さなネットワークの集合体です。ネットワーク毎に、その管理者が必ずいます。
例えば、あなたがインターネット接続プロバイダと契約して自宅でインターネットをしている場合、ネットワークは2つ存在しています。プロバイダのネットワークと、あなたのネットワークです。
通信相手があなたのネットワークの外にいる場合、ルーターと呼ばれる機器を経由して通信する必要があります。Webやメールを使う場合、通常、通信相手はあなたのネットワークの外にいます。
Windowsは、ネットワークに必ず1台は存在している、このルーター機器のシリアル番号(MACアドレスと呼ばれており、世界共通でユニークな番号)を使って、ネットワークを識別しているのです。
ちなみに、私が開発したNCSwitchも同じ仕組みでネットワークを識別しており、Windowsの各種設定を自動的に切り替えしています。Windowsの標準機能では、今回説明した通り一部の設定(共有の詳細設定、Windowsファイアウォール設定)しか切り替えできませんが、ネットワークと関係の深い設定は、他にも沢山あります。(IPアドレスなどのTCP/IP設定、プロキシサーバー、既定のプリンタ、ネットワークドライブ、音量、ドメイン・ワークグループなど)
NCSwitchを使えば、これらの設定もまとめて切り替えることができます。ネットワーク接続する度にWindowsの設定をいじっているような方に、特にオススメです。(NCSwitchのダウンロードはこちら)